成功するかしないかは、 本当に僕らに委ねられている【ECFD】

シリーズ: Rakuten Commerce TECH 部長インタビュー

楽天グループのコマース系サービスの開発を一手に担う、Rakuten Commerce TECH。楽天市場、楽天トラベル、Rakuma など、お買い物やレジャーに関する50以上ものサービスを日々支え、進化させています。開発部門は全部で7つ。本シリーズでは、各部門長の経歴や、楽天にかける想い、転職を検討されている方へのメッセージをご紹介します。

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・楽天グループ株式会社 執行役員
・コマーステクノロジー統括部 ヴァイスディレクター
・コマーステクノロジー統括部 ECファーストパーティー開発部(ECFD) 部長

2007年、楽天グループ中途入社。楽天市場カタログ担当として、製品マスターや価格比較サービスの開発に携わる。2013年、ビッグデータ及び内製サーチエンジンの開発部長として開発指揮、社内導入支援、精度改善等を担当。2018年に一度退職し、国際的なアパレル企業の開発部長としてECプラットフォーム刷新や検索エンジンを構築。2020年に楽天グループに再入社、現在に至る。

楽天に転職したのは、時代の変化に向き合いたかったから

―― 楽天グループ入社前はどのようなお仕事をされていたのですか?

物流業界で航空貨物の手配や、小売店への在庫発注管理システムの導入、物流倉庫の運営などを行っていたほか、小売業界にて社内PCサポート業務などを行っていました。

最後に働いていた家電量販店では当時、拡大をみせていたインターネットの販売サイトに対して、危機感を感じていても声をあげる人は少なく、「インターネットで購入すればもっと安く買える」と思っているお客様の声を真摯に受け止められていない雰囲気がありました。業界全体として「インターネットの世界だから関係ない、自分たちは価格だけで勝負していない」というふうに、時代の新しい流れに向き合っていなかったと思います。僕はこの流れに逆らっていてはダメなのだろうな、という思いが強く、IT系への転職を考えました。

―― 楽天市場の、どのような開発を行う部署へ配属されたのですか?

2007年に入社して最初に配属されたのは「商品価格ナビ」というサービスを開発する部署で、楽天市場で販売されている製品のマスタデータや、価格比較サービスの仕様策定をしていました。当時は某価格比較サイトの人気が強く、楽天も注力する分野でした。一方で当時のサービスには課題も多く、毎週のように経営陣に対して対策などプレゼンをしにいくような状況でした。

それから5年ほどして、ユーザナビゲーションを良くするには検索エンジンを改良しなければ、ということで検索エンジンの開発チームに異動しました。そこでは自社製の検索エンジンを作るという大規模なプロジェクトに携わり、2018年に一度楽天グループを離れるまでの間、検索エンジンの開発チーム全体をリードしていました。

―― なぜ楽天グループを一旦離れたのですか?

当時の検索エンジン開発グループには、尊敬すべき検索エンジンのエキスパートとしての上司やメンバーたちがいました。ゼロから自分たちで作り上げて、いくつものトラブルを乗り越えてクオリティ改善を行い、なんとか楽天市場に導入するところまでもっていきました。この段階で、自分にはひとつの区切りがあったのと、当時の上司から離れて自分自身が一人でどこまでできるのか挑戦してみたいと思うようになったんです。

そんな時、ちょうどeコマースの内製開発を進めていきたいというアパレル企業が、自社ECサイトの責任者を探しているとのことでお声がけいただき、新しい挑戦として楽天を一度離れました。そこでは既存のeコマースのリプレイスに2年がかりで取り組みました。なんとか成果を出すことができ、いくつかの貢献を残すことができたと考えています。その後、リプレイスがひと段落したタイミングで、古巣の楽天がさらなる成長を目指すにあたりそのリードをする人が必要だということでお声がけいただき、楽天グループに戻ることにしました。

 

積み重ねた様々な経験が、今の強みに

―― これまでで最も苦労された経験は何でしょう?

やはり自社製検索エンジンの開発が一番大変でした。元々使っていた他社製の検索エンジンが32ビットしか対応していなかったのを64ビット対応しなくてはいけなかったので、どちらにせよ変えなくてはいけなかったんです。が、前述の検索エンジンのエキスパートである上司が、他社製のものではなく自分たちで開発しようと決断しました。

―― 検索エンジンの内製・・・! 普通は考えもしないですよね

この検索エンジンは楽天市場に導入することがひとつのゴールだったのですが、ユーザ数が多い楽天市場に入れて失敗するわけにはいかないので、まずは海外向けの楽天市場(マレーシアやシンガポール)に対して提供するところから始めました。ただ最初はそれもうまくいかずトラブル続きだったので、なかなか信頼を得ることができませんでした。「本当に最後まで開発できるんですか?どうせ使えないなら他の検索エンジンも考えておきますね」といった話も耳に入ってくる、そんな状態でした。

当時は毎日深夜までミーティングして、開発して・・・というのが続き、その時期はなかなかハードでしたね。ただメンバーたちは心が強くて、ブレずに開発してきた自分たちを信じることができました。本当に大変でしたが、最終的には楽天市場に導入することができました。開発はもちろんですが、調整や交渉もかなり大変で、あちこち走り回っていました。当時色々ご迷惑をおかけした人たちが、今はいろんな部署で課長やマネージャーになっていて、かけずり回った当時の経験は今のコネクションとして活きていると思います。

―― ご自身の強みは何でしょうか

問題解決をする時に、なんとなく正しい道筋を言うことができることかな、と思ってます。なぜかというと、それくらい色々な問題を経験してきたから。

例えばシステムの全体図を見ると、何が達成すべきことで、何に気をつけなくてはならない、ここ怪しいな、というところがある程度の感覚でわかります。長い経験の中で、レントゲンを見たときに違和感や、問題になりそうなところを感じ取れるような感覚でしょうか。システムだけでなく組織にもそういった感覚があると思っています。加えて、元々デイリーオペレーションの人だと自分では思っていまして、突発のトラブルでも24時間戦えます。メッセの反応の速さには自信がありますよ(笑)。

 

楽しんで作らなければ、ユーザにいい体験を提供できるわけがない

―― 様々な経験の上にある強みですね。続いて楽天グループで実現したいことをお聞かせください

楽天グループには遠目で見ると、戦略の見えづらい取り組みやプロジェクトもあると思うのですが、実は全てにしっかりとした戦略があります。社内の関係者に詳しく話を聞くと、事業戦略と強み、そしてメンバーたちの強い想いがよく見えます。そうか、それならそのチャレンジはありだよね、と思える。

あれもいいな、これもいいなと迷いがあると、やっぱりまっすぐ進めませんよね。だからまず自分が理解して、バックグラウンドを含めて道筋を周りに伝えられるようになりたい。そして同じ方向を向いた強い想いのチームを作ることが大切だと思っています。

あと開発ってモノづくりで、本質的には楽しい活動なんですよね。日々の業務はしんどいことも多いですけど、その根底にある楽しさをみんなに伝えたい。僕らが楽しんで作らなければ、ユーザがいい体験ができるわけがないと思っています。ここら辺が、僕のミッションかなと思っています。

―― 楽天グループへ転職を考える人へメッセージをお願いします

楽天グループに来たらこんなに成長させてあげますよ、と安易に言うつもりはありません。そこは自分次第なところも大きいです。一方で、これだけ多様なサービスを持っていて、たくさんの優秀な人たちが集う職場なので、ここにきて成長できる機会がなかったというのは絶対にありえません。そこを見つけるサポートは全力でしますので、安心して入っていただければと思います。

先ほども少し触れましたが、楽天はいろんなことに挑戦しているし、中には失敗することもあります。それでも誰かが挑戦しないといけないことだったんだろうと思います。野球にしても 携帯キャリア事業にしても、いつまでたっても世の中が変わらない状況だったのを、実際にやる会社だというのはすごく心強い話だと思います。日本のすべての成長を含めて、止めるわけにはいかないところを三木谷社長がやると言ってくれる。そして成功するかしないかは、本当に僕らに委ねられている、僕たちに考えさせてもらえているんです。

自分たちで自分たちのサービスを良くする方法を考えることができて、かつ楽天グループに対して自分ができることをきっちり探せる自信がある人なら、必ず成功できると思います。

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