【MIP2024 2Q】社内用のAIツール活用により、作業を8分の1に削減

 

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Ikacco

入社…2015年6月に中途入社

部署名…コマース & マーケティングカンパニー

    トラベル開発部(TDD)

職種…バックエンドエンジニア

出身地…新潟県

趣味…旅行、ビデオゲーム、ヨガ

 

皆さん、こんにちは。R-Hack編集部です。

MIP(Most Impressive Person)は、楽天グループ コマース&マーケティングカンパニーの開発部門における、社内表彰の一つです。四半期に一度、カンパニーの全社員の中から最も組織に貢献した人物に贈られます。

今回は、社内用のAIツール活用により、予約データの修正作業の大幅な効率化を達成したIkaccoさんにインタビューしました。

サービスへの思いから英語を勉強し、楽天グループの社員に

――自己紹介をお願いします。

こんにちは、「楽天トラベル」でバックエンドエンジニアとして働いているIkaccoです。

私は新潟県長岡市出身で、大学では農業機械工学を専攻していました。大学卒業後はSIer企業で働き、会計システムや医療系システムに携わりました。その後、パートナースタッフとして楽天グループに入社し、5年間「楽天トラベル」の宿泊予約機能の改善開発に従事しました。

 

――パートナースタッフとして働いていたIkaccoさんがどのようなきっかけで社員になったのでしょうか?

宿泊予約機能の改善開発で、自分がリリースした機能を通じて初めて予約が入り、予約数が日々更新されるのを見て感動したことを覚えています。私自身も旅行が大好きなので、宿や航空券を予約して旅行に向けて準備している時のワクワクする気持ちがよく分かります。自分の携わったサービスがお客様の楽しい旅行の一助になったことが嬉しく、モチベーションになりました。

 

そのため、次第に「パートナースタッフとしてではなく、社員としてこのサービスをより良くするために働きたい!」と思うようになりました。私は英語が得意ではありません。しかし、毎日地道に勉強を続けて2年かけてTOEIC 800点をクリアできました。そして、2015年に楽天グループに中途入社し、希望通りに楽天トラベル開発部(TDD)に配属されました。

 

――携わったサービスへの思いから社員になる決意をしたのですね。社員になってからは、どのような仕事をしたのでしょうか?

「楽天トラベル」のSPU(スーパーポイントアップ)プログラムへの参画や会計システムの移行、コロナ禍でのGoToトラベルキャンペーンのクーポン開発等に携わりました。その後、産休・育休を経て、昨年末に復職したところです。

 

――現在の業務内容について教えてください。

「楽天トラベル」の開発は、他企業や地域との大きなプロジェクトもあれば、海外展開のためのプロジェクトもあります。そういったチャレンジを支えているのが、今の「楽天トラベル」のシステムの安定稼働です。

 

私の業務は、安定稼働を前提としたシステム改善とメンテナンスが主な内容です。「楽天トラベル スーパーSALE」を想定した負荷試験の実施、予期しないトラブルが起こったときの調査や対応、バグ修正や改善など、多岐に渡ります。

 

今進めているのは、インメモリデータベースを古いものから新しいものへ移行するプロジェクトです。膨大な数のアプリやバッチへの影響やリスクを調査し、どう進めれば安全に実施できるか各担当者と一緒にプランを練るなど、そこに必要なアプリの開発設計も行っています。

 

――一緒に働いているメンバーについて教えてください。

同じ部署のメンバーは優秀な方が多く、国籍も文化も様々なので、日々刺激を受けています。毎日英語を話す機会があり、たまにある部署の飲み会では日本語と英語が入り交じって盛り上がります。

 

まだ子供が小さいこともあり、子供や家族の病気の際には在宅勤務と出社の日を振り替えさせてもらうこともあります。いつも対応してくれているマネージャーには感謝しています。

 

個人目標として掲げたAI活用による作業の効率化が評価される

 

――MIP受賞の理由となったプロジェクトの概要を教えてください。

社内用のAIを以下の3つの用途に活用して作業を効率化することで、大幅に時間と労力を削減しました。

 

1.社内用AIツールにソースコードを渡し、実行されているSQL(スクリプト)を抽出

2.1のSQL(スクリプト)をもとに、更にAIに正しい期待値のデータとテーブルの定義をExcelの形でそれぞれ渡し、更新用のSQL(スクリプト)作成を依頼

3.戻し作業用のSQL(スクリプト)作成を依頼

 

私が調査を担当したデータは、多くのデータ要素(テーブル)で構成されています。そのため、大量のSQL(スクリプト)を作成することになり、かなりの時間を要しました。

 

AIを活用した結果、合計158データ分のSQL(スクリプト)を30分程度で生成することが可能となりました。過去に行ったSQL(スクリプト)作成作業と比較すると、対応に要する時間を8分の1に減らせました。

 

今回のプロジェクトは、担当サービスやシステム構成を問わずに応用可能です。他の開発でイレギュラーに発生するタスクに適用すれば、同じように迅速かつ正確に対応できるので、開発コストの縮小につながります。

 

 

――MIPを受賞した時の感想をお聞かせください。

もちろん、光栄に思いました。それと同時に、率直な感想を述べさせていただくと、「え?本当に?」と驚きました。

 

ただ、もともとAIを活用した作業効率の改善は、産休・育休後に半期の目標として私自身が掲げた個人目標でした。どうしても子育てに時間がとられるため、技術のインプットにかけられる時間が限られていますが、それでもアウトプットを増やさないといけないからです。「いかに残業時間を増やさずに、手っ取り早く作業効率を上げるか」というのが課題でしたが、その答えがAIの活用にあるように考えました。

 

もちろんAIが常に最初から正しい解答をするわけではないため、チェックと訂正のトライアンドエラーもあります。しかし、結果的に作業の効率化につながり、客観的な個人目標の成果としても良かったと思います。

 

既に社内ではAIの活用が進んでいますが、もしも今回のプロジェクトのことを知って「自分の業務にも応用できそう」と思った方がいたなら幸いです。

 

――今後楽天で挑戦したいこと、ビジョンなどがあれば教えてください。

現在、「楽天トラベル」の開発では、古いアーキテクチャから新しいアーキテクチャへの移行が進んでいます。同時に全く新しい開発プロジェクトも進行中です。これからの開発スタンダードに合わせて、AI技術も引き続き活用しつつ、常に自分自身も成長しアップグレードし続けたいと思います。

 

また、楽天グループは私の故郷である長岡市と包括連携協定を締結し、長岡市内の大学などとの連携による次世代育成や地域経済活性化などの分野における取り組みを推進しています。いつか私もその取組みに関わりたいと考えています。

 

corp.rakuten.co.jp

 

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